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インタビュー「糖質制限で頭がよくなる!?」第1回:三島塾塾長・三島学氏

難関校合格者を輩出する三島塾で勧める「子どもを伸ばす食事」

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難関校合格者を輩出する三島塾で勧める「子どもを伸ばす食事」の画像1

子どもの学力を伸ばすには、まずは食生活の改善から?(depositphotos.com)

 「勉強しなさい!」「テストの結果が悪いじゃない!」「こんな問題もわからないなんて、ダメじゃない!」

 ついつい、子どもに対してこんな言葉をかけてしまい、なんだかやるせない気分になった経験をもつ保護者は少なくないだろう。 
 
 親がガミガミ怒っても、子どもは勉強するどころか「うるさいな!!」と反発して逆効果。あるいは、「ハイハイ」と生返事で、まったくやる気を見せないものだ。最終的には親子関係がギクシャクしてしまう。

 「しつけは親の仕事。それに、子どもの将来を考えて勉強をさせたい気持ちは、よくわかります。ただし、あれをしなさい、これもしなさいと親が指示をしても、成績は伸びないし、反抗するものです」と諭すのは、三島塾塾長の三島学氏。

 三島氏によれば、親は口を出すよりも、子に栄養のある食事を与えることのほうが大切だという。

 三島塾では、教室を訪れる塾生の子どもに「糖質制限」の食事を提供している。三島塾での「糖質制限」とは、糖質(炭水化物)を1食20g以下にし、タンパク質・脂質をたっぷり含む肉類や卵、チーズなどをしっかり食べるのが基本だ。

 そんな糖質制限の食事と学習指導で、偏差値が1年で40から60になったり、教師から「絶対に無理」と言われた志望校に合格したり、成績がグングン伸びているケースも。

 親として子どもの成績アップを望むなら、最初に見直すのは食生活かもしれない――その方法を三島氏に教えてもらおう。

てきめんに現れるのは集中力の持続

 そもそも、三島氏が糖質制限の食事を始めたきっかけは、自身の2型糖尿病の改善だ。2型糖尿病は、肥満やストレスなどでインスリンの作用が低下して発病する。

 糖尿病歴20年の三島氏は、まじめに通院して治療を受けていたにもかかわらず、2011年、糖尿病腎症第3期段階まで進行。そこで従来の糖尿病治療に疑問を感じ、江部康二医師の提唱する糖質制限食を実践したところ、わずか1カ月で肝機能などのさまざまな数値が劇的に改善した。

 2013年、糖尿病を克服してアクティブで活動する三島氏の姿を間近で見た塾生の「先生と同じものが食べたい!」というリクエストに応え、おやつにミートボールやハンバーグなどの提供をスタート。

 その2年後には、タンパク質や脂質をたっぷり摂れるメニューの夕食も始めた。ちなみに「三島先生の食事法を教えて」と実践した子のひとりは、有名国立大学の医学部に進学した。

 この糖質制限食でてきめんに現れるのは、集中力の持続だ。

 「食後も眠くならないので、勉強に集中できて、成績がグングン上がります。小学生でも12時間集中して学習できるようになる」(三島氏)

 周囲からは当初、「大人ならまだしも、子どもに糖質制限させたら成長面などに悪影響はないか?」と、懸念や反対の声もあったという。しかし、その不安に反して、塾生たちは風邪を引かず、身長もグングン伸びているそうだ。

 「現代の子どもたちが疲れやすいのは、糖質が多い食事のために、必要なタンパク質や脂質などが不足しているから。これは『新型栄養失調』(※)です」
 ※新型栄養失調とは:摂取カロリーは足りているのに、タンパク質やビタミン、ミネラルといった特定の栄養素が不足してしまう状態のこと。

 「糖質の消化には、ビタミンやミネラルが使われます。ご飯やパン、ラーメン、うどん、ジュース、お菓子などで糖質過多に陥り、ビタミン・ミネラルが不足する。加えて、カラダをつくるタンパク質と脂質が足りないから、体力がなくて免疫力も下がり、集中力も続きません」(三島氏)

 また、糖質をたくさん摂れば血糖値が乱高下して、眠気を誘い、イライラも起こりやすい。「そんな状態では、学習効果も上がるはずがない。子どもとはいえ、血糖値の安定は重要です。」と三島氏は語る。

 「糖質制限」の言葉から、糖質を控えることに目がいきがちだが、大切なのはタンパク質と脂質の十分な摂取。子どもをガミガミ怒っている親にも糖質過多の人は多いのかもしれない。親子共に食生活を見直してみてはどうだろう。

 では、どのくらいの量が十分といえるのか? 子どもならば、タンパク質は理想体重(kg)に7.5をかけた数値(g)が1日の必要量。たとえば、理想体重が50㎏の中学生男子は、50×7.5=375。1日当たり375gの肉や魚、卵を食べるわけだ。

 三島氏によれば、食事は必ずしも1日3回でなくてもいい。

 「朝目覚めた時に食欲がなければ、食事はいらない、というカラダからのサイン。無理に食べなくていい。約700万年という人類の長い歴史を振り返えれば、1日1食で十分に生きていける」(三島氏)。

 ちなみに、人類が穀物を摂取した歴史は1万年。中でも血糖値を上昇しやすい白米が主食になったのは、人類史上で例外的なことだいえる。

3食作らなくてもいいし、料理のバリエーションもいらない!

 成績アップを期待して、親が子に糖質制限を押しつけてはいけない。

 「『糖質はダメ。その理由はね……』とクドクド説明したところで、反発するだけ。子どもの生活習慣や行動を変えたいならば、まず家の中から糖質の食べ物を減らして、その効果を実感させてください。すると、自ら進んで取り組むようになりますよ」

 ただし、子どもにも付き合いはある。友だちと糖質たっぷりのお菓子を買い食いしても、目をつぶろう。

 子育てに悩みは尽きないが、子育てには手遅れもないと語る三島氏。

 「子育てに手遅れはありません。三島塾には、21歳や36歳の塾生も通っている。糖質を制限した食生活を始めれば、学習能力は上がります。とはいえ、早い段階から三島塾で取り入れているような食生活を始めるに越したことはありません」と三島氏は語っていた。
(取材・文=森真希)


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三島学(みしま・まなぶ)
三島塾塾長。1950年、宮城県生まれ。大東文化大学大学院中国学博士課程修了。高校教員、代々木ゼミナール予備校講師を経て、2008年、三島塾を立ち上げる。一貫して教育に携わり、40年を超える経験を活かした教育指導には定評がある。著書に『糖質制限で子どもが変わる! 三島塾レシピ ― 成績&集中力アップ! もう「勉強しなさい! 」は言わなくてOK』(主婦の友社)『「糖質制限」が子供を救う』(大垣書店)『糖質制限で頭がいい子になる 三島塾のすごい子育て』(かんき出版)、共著に『スーパードクターズ!2 本当にすごい!糖質制限』(ぴあムック)など

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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