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お酒への耐性を知る「アルコール感受性遺伝子検査キット」を体験してみた!

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「アルコール感受性遺伝子検査」を受けてみた

 花見で一杯、新人の歓迎会など、何かとお酒を口にする機会の多い時期を過ぎたころ、ライターとして記事を書いている編集部から「アルコール感受性遺伝子検査」を受けて体験記事を書いてみないかと誘われた。

 飲み会で盛り上がり、帰りの電車で居眠りをして自宅近くの駅を乗りすぎることもしばしば。若い頃と同じペースで飲めば無理もない話だが、50歳を過ぎてもなかなかブレーキがかけられない我が身を振り返り、そもそもアルコールに対する自分の耐性を把握しておくのもいいだろうと引き受けることにした。

 挑戦したのは、イービーエス株式会社の『アルコール感受性遺伝子検査』。検査キット付属の綿棒で両頬の内側を合わせて1分ほどこすって遺伝子を採取し、同梱の返信用封筒に同意書と一緒に入れて投函するだけと、検査はいたって簡単だ。

 この検査では「酔いやすさ」と「お酒の残りやすさ」を、アルコール感受性に関わるADH1B遺伝子(1B型アルコール脱水素酵素)とALDH2遺伝子(2型アルデヒド脱水素酵素)の2種類の遺伝子を分析することで教えてくれるらしい。

なんと「依存症リスクが高い大酒飲みタイプ」という判定!

 期待と不安の中で待つこと約1週間。返送されてきた封筒を開けると、検査結果を8ページの冊子にまとめたレポートが入っていた。

アルコール感受性遺伝子検査キットレポート

アルコール感受性遺伝子検査キットレポート

 冊子をめくると、最初のページに「アルコール感受性遺伝子検査結果」の文字が大きく印刷されている。検査したADH1Bは「低活性型」「活性型」「高活性型」に、ALDH2は「活性型」「低活性型」「非活性型」の3種類に分けられており、自分がそれぞれ何型かが記されていた。

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ADH1BとALDH2の分類

 私の結果はADH1Bが「低活性型」、ALDH2が「活性型」であった。
 レポートにはそれぞれの遺伝子の型の組み合わせで9タイプに分けた表組も明記されている。なお、ALDH2非活性型は、ADH1Bがどのタイプであっても「完全下戸タイプ」となる。
この表組を見ると私は、「依存症リスクがもっとも高い大酒飲みタイプ」に分類されていた!

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「依存症リスクがもっとも高い大酒飲みタイプ」!


「依存症……!?」
ドキドキしながら次のページを見ると、検査した2種類の遺伝子とアルコールの分解との関わりが説明されていた。
 
それによると、人間の体内に入ったアルコールは肝臓で主にアルコール脱水素酵素(主にADH1)の働きによってアセトアルデヒドという物質に分解される。

このアセドアルデヒドは少量の飲酒後に起きる顔面の紅潮や動悸、頭痛などのフラッシング反応の原因物質で、発がん性があるという。
  
このアセトアルデヒドは、主に2型アルデヒド脱水素酵素の働きで酢酸に分解され、肝臓でできた酢酸は全身を巡るうちに水と炭酸ガスに分解されて体外に排出される。

飲みすぎると口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がんのリスクも

さらにページをめくると、ADH1Bが「低活性型」でALDH2が「活性型」の私のタイプについて解説が記されていた。
 
それによると私は日本人の約2.8%が相当するタイプで、下記のような特徴があるという。

・飲酒しても顔が赤くなりにくい
・アルコールの分解が遅いため、大量に飲酒した場合は翌日まで酒臭さが残りやすい
・ほろ酔い気分になりやすい
・アルコールがゆっくり代謝されるため、アルコールが脂肪として蓄積しやすく、いわゆる「ビール腹」になりやすい

うーん、あまりありがたいことは書かれていないぞ……。
 確かに私は、若い頃からお酒を飲んで顔が赤くなったことがほとんどない。そのため先輩や上司に「飲みが足りない」と言われてお酒を注がれたことが数知れずあるが、不思議と飲み会が嫌になったことは一度もなかった。
 
もちろんお腹は、どこに出してもはずかしくない「ビール腹」だ。もっともこれは慢性的な運動不足などの要因も多分に考えられるため、お酒のせいとばかりは言えないと思うのだが……。

 なお私のタイプが注意することとして、「上部消化器がん(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん)」があげられている。大量飲酒の習慣がつくと、これらのがんのリスクが高まるらしい。

ADH1Bが低活性型なタイプは、血中に長時間残存したアルコールが唾液中に移行し、口の中の細菌によってアセトアルデヒドに代謝されることで口腔・咽頭・喉頭・食道が高濃度のアセトアルデヒドに長い時間さらされるため、上部消化器がんのリスクが高いのだという。

 さらには、先ほど私がもっとも気になった「依存症リスクがもっとも高い大酒飲みタイプ」についても書かれている。それによると私のタイプは、全9タイプの中でもっとも飲酒量が増えやすく、それにより「アルコール依存症になりやすいタイプ」なのだそうだ。

「ほろ酔いで楽しく、二日酔い知らず」の理由が判明

耳に痛い話ばかりの結果レポートだと思っていたが、読み進むと「栄養のアドバイス」と「予防のポイント」も書かれていた。

ADH1Bが低活性型の私には、アルコール脱水素酵素の働きを助ける成分を積極的にとることが書かれていた。牡蠣やレバー、牛肉、カニなどに含まれる「亜鉛」である。

また私のタイプは、特に40歳以上で日常のストレスが多いと統計的に問題飲酒行動を起こしやすい傾向があるため、日ごろの適切なストレスマネジメントが重要だそうだ。アルコール依存症への移行率が顕著に高いタイプであるため、ストレスを抱えたままお酒を飲むのは控えた方が良いらしい。

 飲酒歴30年以上の私だが、実はこれまであまり二日酔いになったことがない。「もう二度とお酒は飲まない……」と思うような頭痛や吐き気に襲われたことが、ほとんどないのだ。
その理由が、今回の検査で腑に落ちた。二日酔いの原因物質である体内のアセトアルデヒドを、活性型のALDH2がキチンと分解してくれていたのだ。
 
いつも調子よく楽しくお酒が飲めるのも合点がいった。ADH1Bが低活性のため、飲んだアルコールが血中にとどまったほろ酔い気分が続いていたというわけだ。

「ほろ酔いで楽しく、二日酔い知らず」と言うとうらやましく思う人もいるかもしれないが、本人が楽しくても周りが楽しいとは限らない。不用意な発言で不快な思いをさせてしまった相手は、私が思うより多いのかもしれない。

 しかも今回の検査で、「ほろ酔いで楽しく」の裏には「依存症のリスク」が隠れていることもわかった。
 
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「第一次健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は1日平均で純アルコールにして20グラム程度とされている。純アルコール約20グラムというと、ビールなら500ml、日本酒なら1合(180ml)、焼酎(25度)なら1/2杯(100ml)、ワインならグラス2杯(240ml)、酎ハイ(7%)なら350mlほどだ。
 この純アルコール約20グラムを分解するのに要する平均時間は男性で約2.2時間、女性で約3時間といわれている。

「彼を知り己を知れば百戦危うからず」とは、有名な孫子の「兵法」の一節だ。今回の遺伝子検査で自分のアルコール感受性がわかったのだから、今後はお酒の飲み方に気をつけて「敵=アルコール依存症」に負けない心構えと飲み方をしていこうと思う。
 人生100年の時代である。まだまだ折り返しと思えば、残り約半世紀。健康を維持して、他人に迷惑をかけない「ほろ酔いライフ」を1日でも長く楽しみたいと決意を新たにした経験だった。
(取材・文=岡崎 亨)


※この記事は体験談であり、効果効能を紹介するわけではありません。

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